現場で培った効果的な事故防止の手法を、他の施設の職員にもお伝えしたくて、セミナーや執筆活動をしています。半分の労力で2倍の効果を生むリスクマネジメントの手法をご活用ください。

安全な介護について

 2000年介護保険制度がスタートした。その当時、現あいおいニッセイ同和損保でお客様の企業の経営企画やリスクマネジメントに携わっていた私は、介護のリスクマネジメントに興味を持ち現場で勉強させていただくことにしました。

最初に現場で活動を始めたのは、北区の清水坂あじさい荘。当時鳥海房江さんという副施設長が居て、「おう、教えてあげるから勉強しに来なよ」と受け入れてくれ、朝までショートステイ夜勤のお供をさせてもらったりとお世話になりました。

その後、主に施設の現場でたくさんの介護職員と関わらせていただき、「この認知症のAさんの転倒をどうやって防いだら良いだろう」と頭を悩ませました。私が現場と関わって抱いた疑問は、「なぜこんな防げないような事故に対して、ムダな労力を使っているのだろう」ということでした。

その当時は、事故防止活動と言えばヒヤリハットくらいで、まともな事故防止活動や事故防止の手法が何らできていませんでした。まず、私が考えたのは「防げない事故と防ぐべき事故をきちんと区分して、防ぐべき事故に対して優先的に防止対策を講じよう」ということでした。

月に1回、その施設で起きた事故に対して、事故事例検討会を行い、まず防ぐべき事故なのか、防げない事故なのかを明確にした上で、防ぐべき事故であればどんな対策を怠って事故に至ったのか、つまりどんな対策を講じるべきなのかを明確にしていったのです。

その結果、「見守りの強化」「見回りを頻回に」というような、気合だけの対策はムダであることがわかり、「介助動作を見直す」「正しい食事の姿勢のためにクッションを作る」など、根拠のある具体的な対策を講じて実際に事故を減らすことができました。

こんなカタチで現場で培った効果的な事故防止の手法を、他の施設の職員にもお伝えしたくて、セミナーや執筆活動をしています。半分の労力で2倍の効果を生むリスクマネジメントの手法をご活用ください。