投稿者: anzen-kaigo 一覧

  • 08/19
    2024
    2024.08.19
    セミナーリスト2024年度下期版のご案内

    ちょっと気が早いですが、弊社セミナーリスト(対面・オンライン)を作成しましたのでご案内いたします。開催をご検討いただける場合は、テキストなどの資料をご提供いたしますので、メールでお問い合わせください。Mail:soudan@nanasha.co.jp
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  • 08/01
    2024
    2024.08.01
    オンライングループ討議セミナー「事例から考える虐待防止の具体策(9/6)」のご案内

    虐待・不適切なケアが大きな問題になっています。以前は認知症利用者への対応で理性を失って起きる虐待がほとんどでしたが、最近では虐待の原因は多様になってきました。そこで、施設・法人単位でグループ参加できるオンラインセミナーを企画いたしました。7つの事例を討議する研修で、自施設(法人)の問題点を見つけるきっかけになります。
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  • 08/01
    2024
    2024.08.01
    安全な介護にゅーす8月号発行

    「高齢ドライバーが運転中に脳梗塞を起こし利用者が死亡」
    酷暑が続くのでドライバーの健康管理を徹底しましょう!「送迎車ドライバーの健康チェック表」を差し上げます。
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  • 07/08
    2024
    2024.07.08
    リスクマネジメント情報室プレミアム会員のご案内

    8月1日からリスクマネジメント情報室プレミアム会員をスタートします。プレミアム会員になると、リスクマネジメント情報室のサービスにプラスして、法定職員研修動画など約160本の動画がいつでも自由に視聴することができます。年会費は1施設55,000から。
    ≫パンフレットはこちらから

  • 07/03
    2024
    2024.07.03
    8月オンライン無料セミナーのご案内

    8月のオンライン無料セミナー「15の事例に学ぶ事故を巡るトラブル対策(デイサービス編)」をご案内いたします。
    ≫セミナーパンフレットはこちらから

  • 05/29
    2024
    2024.05.29
    7月安全な介護オンラインセミナーのご案内

    ■一斉配信動画「認知症利用者のリスクマネジメント」(7/1)
    今回は「番外編」をプレゼント配信、お楽しみに!!!
    ■安全な介護セミナー「効果抜群!ヒヤリハット活動の見直し方」(7/4)
    必ず効果があがるヒヤリハット活動の見直し方を伝授します
    ■安全な介護塾「安全な施設の建物・設備50のポイント」(7/18)
    「使いづらい、操作しにくい」は事故につながる大きなリスクです。
    ■事故事例検討会(7/19)
    デイに来ていないはずの利用者が送迎車内で遺体で発見
    ■オンライン職員研修「虐待防止対策編1」(7/25)
    虐待事故はその原因を分析して対策を講じればほとんど防げます
    ■無料セミナー「15の事例に学ぶ事故トラブル対策(施設編)」(7/29)
    なぜ事故が大きなトラブルにつながるのか?トラブル防止策を考えます
    ≫セミナーパンフレットはこちらから

  • 05/28
    2024
    2024.05.28
    動画セミナー「リスクマネジメント体制強化」無料配信のご案内

    2024年の制度改正で義務化された「リスクマネジメント体制強化」の内容を解説した動画セミナーを9月30日まで無料配信します。
    ≫詳しくはこちらから

  • 05/27
    2024
    2024.05.27
    面会の家族が食事介助中に誤えんで死亡

    【検討事例】長男の妻が食事介助をしていたら急変して亡くなってしまった
    頻繁に特養の入所者に面会に来る長男の妻が、いつものように食事介助を申し出たためお願いしました。ところが、介助中に利用者の顔が急にガクッと下を向いて動かなくなり、気付いた看護師が誤えんと判断し吸引を施行して救急搬送しましたが、病院で亡くなりました。病院に駆けつけて来た長男は、取り乱して泣いている妻を見て「入所者の介護は職員がやるべきではないのか?」と、施設の責任を追及します。施設長は、「介護したいとおっしゃればご家族の責任でお願いしています」と答えましたが、息子さんは納得していないようでした。施設長は相談員に「家族が介助中に起こした事故の責任は家族が負う」と一筆いれてもらおう」と言いました。
    ■家族の介助による事故で施設の責任が発生するか?
    面会の家族が利用者を介助して事故が起きても、基本的には施設の責任は問われないでしょう。面会時に家族が利用者の介助を申し出ることは珍しくなく、施設は家族に介助上の注意を伝えてお願いしています。いくら「本来施設の職員がやるべき業務である」であっても、家族の介助の申し出をむげに断れませんから、施設は事故の責任を問われては困ります。
    では、施設内の家族介助による事故で施設は責任を絶対に問われないか?というと、必ずしもそうではありません。介助業務を素人である家族に任せることに顕著な危険がある場合などは、事故が起こった時賠償責任が追及されトラブルになるかもしれません。本事例では次のような場合です。
    1.入居者に摂食えん下障害があり家族にその認識が無い場合 
    入所前は摂食嚥下障害が無くその後機能障害や機能低下が生じていて、家族がこれを知らない場合には、きちんと誤えんのリスクを説明しておく必要があります。
    2.介護職員でも食事介助が難しく、家族に任せることで明らかな危険が生ずる場合
    匙への盛り方や口への運び方や姿勢など、介助方法が難しくこれを怠ると誤えんの危険があるような場合は、家族に任せると危険です。
    3.誤えんのリスクが高く、しかも家族には誤えん発生時の適切な対処が期待できない場合
    家族は介護のプロではありませんから、誤えん発生時の救命処置が正しくできるはずがありません。
    また、取り乱す妻を気遣う息子さんの施設を咎めるような発言に対し、施設長が過敏に反応して責任回避の言葉を口にしてしまいましたが、事故直後の発言として適切ではありません。危うくトラブルになることころでした。利用者に事故が起こると、家族がその責任を追及してもいないのに過敏に反応して、すぐに施設側の責任回避ばかり主張する管理者がいます。事故発生直後のこのような管理者の責任回避の発言は、家族に対して「責任感が無い」「誠意が無い」という強烈な悪印象を与え、事故後の家族トラブルに発展するので注意しなければなりません。
    ■家族の介助に危険がある場合の対応
    さて、このような面会の家族による利用者の介助に危険がある場合、どのように対応したら良いのでしょうか?利用者の家族が配偶者であれば、介助を任せると不安があるような、少しおぼつかないお年寄りもいますが、むげに断る訳にも行きません。
    例えば「少し認知症がある夫が頻繁に訪ねて来て妻を歩かせる」「食べ物を持って来て居室で一緒に食べてしまう」などの場合、頭ごなしに「禁止」というのでは家族の気持ちに対する配慮に欠けます。完全看護の病院ではありませんから、介護職員も「余計なことをしないで下さい」とむげに断ることもできず困ってしまいます。
    では、施設長が言うように、「家族が介助して事故が起きた時には“介助中の事故は家族が責任を持ちます”と一筆入れてもらう、という対応はどうでしょうか?これも適切ではありません。ご存知のように、“事故が起きても事業者の責任を追及しません”と一筆入れてもらっても法的な効力がありませんし、このような約定をさせることは消費者軽視になりますから控えなければなりません(※)。
    少し考え方を変えてみたらどうでしょうか?施設サービスは利用者の生活を支えることですが、面会の家族も実は利用者の生活を支えています。面会の家族が利用者に寄り添って歩くことも、一緒に美味しいものを食べることも、単調な施設の入所生活の中では生活の彩であり、生活することの張りでもあり、利用者はみな元気になります。「家族と協力して利用者の生活を支える」という考え方をすれば、家族に適切な注意喚起を行った上で、安全に歩いてもらい、安全に美味しいものを食べてもらえば良いのです。
    ※消費者契約法によれば、「事業者を消費者との契約において、事業者の消費者に対する損害賠償責任の全部または一部を免除するような条項は無効とする(同法第8条)」とされています。
    ■高齢の家族への注意喚起の方法とは
     事故防止の手法として、「利用者や家族の注意を喚起する」「注意を促す」という方法があります。利用者の自発行為で起こるような事故でも、施設職員は介護のプロですから、プロの立場からリスクを予測して本人や家族に必要な注意喚起をしておかなければなりません。
    では、どのような方法で注意を喚起すれば、施設職員は介護のプロとしてやるべき安全配慮をしたことになるのでしょうか?面会の家族が配偶者のようなお年寄りであるケースも踏まえると、次のような注意喚起の方法が必要です。
    ① リスクを具体的に伝えて事故の重大性を認識させる
    お年寄りはリスクに対する想像力や感受性が衰えてきますので、事故の結果どのような重大な事態になるのかを具体的に伝えなければなりません。「転倒すると危ないですから」ではなく、「転倒して入院すれば肺炎を起こして亡くなる人もいるのですから」と説明すれば良いでしょう。
    ② 相手の理解力に即した平易な言葉で説明する
     お年寄りは語彙が豊富ではありませんし、新しい言葉や難しい言葉は分からない人が多いですから、平易な言葉で分かり易く伝えなければなりません。介護の専門用語を使ってはいけません。「誤えんしたら大変ですよ」などの専門用語はできる限り避けて、「食べ物が喉に詰まったら窒息して死んでしまいますよ」と伝えれば良いでしょう。
    ③ リスク回避の方法も具体的にアドバイスする
     リスクを正しく認識できても、これを回避する方法が分からなければ、事故は防げません。ですから、分かり易くお年寄りにもできる事故の防止方法を伝えなければなりません。「注意して食べさせてください」ではなく、具体的にどのようにすれば良いかを伝えなければなりません。「4つくらいに切り分けてお茶と一緒に召し上がって下さい」と伝えれば良いでしょう。

  • 05/27
    2024
    2024.05.27
    食事中に利用者の口からガラスの破片が…

    【検討事例】ミキサーが破損して破片が食事に混入
    ある特別養護老人ホームで食事中に、利用者の口から分厚いガラスの破片が出てきました。利用者は唇を切り大騒ぎになり調べてみると、事故の原因は厨房で破損した大型のミキサーと判明しました。施設長が厨房の管理者に問いただすと、「ミキサーが落下して割れたが料理から3m以上離れていたので、破片は混入していないだろうと判断した」と言いました。利用者の家族からも大きなクレームとなり、早速再発防止策を協議しました。しかし、どんなケースでどのように判断しどのように対処したら良いか、具体的な対処方法が決まりません。どうしたら良いでしょう? 
    ■なぜ最悪の結果を想定した対処ができないのか?
     人は誰でも顕在化していないリスクに対しては、「リスクはない(低い)」という自分に都合の良い判断をしてしまいます。事故の発生が客観的に把握できていない状態、つまり「事故が発生したかもしれないし、発生していないかもしれない」という状況で、最悪の結果を想定して対処することができないのです。例えば、突然火災報知機が作動したとします。すぐには誰も避難しようとしません。報知器の誤作動の可能性があると思っているので、報知器を点検しようとするのです。しかし、報知器の点検に時間を要して誤作動かどうかなかなか判明しなかったらどうするでしょう?もちろん、煙でも見えれば誰もが大慌てで避難するでしょうが、何の変化もなければ本当に火災が起きていると考えて避難する人は稀です。
     つまり、事故の発生が明確になっていない時点で、最悪の結果を想定して対処を行うことは極めて難しいのです。ですから、どのような場合に最悪の結果を想定した対処をすべきかをルール化して、人の甘い判断が入り込む余地を排除しなければ、正しい対処行動はとれないのです。特に、最悪の結果を想定した対処に費用が伴うケースや、人の手を煩わせるようなケースでは、“空振り”を恐れて判断が甘くなります。「誤えんしたと考えて救急車を要請したが、救急車が到着する前に回復した」というような“空振り”を許容し、“空振り”が起こるからこそ絶えず安全が維持できると考えなくてはなりません。
     ですから、本事例でガラスの破片が料理に混入したという最悪の結果を想定した対処判断ができなかった厨房の管理者を責めても意味がないのです。食器や調理器具の破損は起こる可能性があるのですから、対処をルール化していなかったことが事故の原因なのです。
    対処判断に迷う顕在化していないリスク
     ところで、本事例以外にも対処判断に迷うようなケースは施設内の事故でもたくさん起こっているのです。そのほとんどが、対処する職員の判断に任されてしまっており、ルール化されていません。あなたは次のような場面で最悪の結果を想定した対処を判断できますか?
    ・利用者が見当たらない→施設内にいるかもしれないし、施設を抜け出しているかもしれない。
    ・利用者がお風呂で溺れた→肺に浴槽のお湯が侵入したかもしれないし、侵入していないかもしれない。
    ・転倒して床に転げていた→頭部を強打しているかもしれないし、していないかもしれない。
    ・利用者が誤えんした→タッピング・吸引で回復するかもしれないし、しないかもしれない。
    ■食器や調理器具破損時の厨房の対処ルール
    では、本事例のように食器や調理器具の破損が発生した場合、どのような対処ルールを決めたら良いでしょう。問題は調理済みの料理をすべて廃棄すれば、利用者に料理が提供できなくなりますし、食材の廃棄や替わりの食事手配などで金銭的な損害も覚悟しなければならないことです。例えば次のようなルールを作ってはどうでしょうか?
    ① 食器やガラス類が破損したら(床への落下でも)、破損場所から3m以内の食材と料理を廃棄する。
    ② 3m超離れた食材や料理は2人で目視チェックし、混入が確認されたら全ての食材と料理を廃棄する。
    ③ 調理台より高い位置で破損が起こった場合は、厨房内の食材と料理を全て廃棄する。
    ④ 厨房内事故により食事の提供が不可能な場合には、レトルト粥など災害備蓄の保存食を提供する。
     最悪のケースでは、調理済みの全ての食事を廃棄することもあり得るのですから、替わりの食事のためのレトルト食品などの備えも必要になるのですが、これは災害備蓄を使用すれば良いのです(災害備蓄食料も消費期限がありますから、新しいものに買い替えれば良い)。本事例のように最悪のケースを想定して万全の対処を行う時に、金銭的な損害を伴うケースでは、管理者や経営者などトップが率先して「金銭的な損害より事故の危険除去を優先する」という姿勢を示してルール化をしない限り、現場で適切な判断は絶対に期待できません。
    ■空振りを容認して安全を優先する風土
    また、前述のように「最悪のケースを想定して対処をしたが何も起こらなかった」という“空振り”を容認して、安全を優先する風土を定着させないとこのようなルールを作ってもルールを守らなくなり機能しなくなってしまいます。東日本大震災で「1時間後に10mの津波が襲ってくるかもしれない」という情報によって、96人の利用者と48人の職員が迅速に別の場所に避難し、一人の犠牲も出さなかった特別養護老人ホームがあります。
    この特養は、前年のチリ地震で5mの津波警報が出た時も全員避難したそうですが、その時は50㎝の津波しかやって来なかったそうです。つまり、せっかく苦労して全利用者を別の場所に避難させたのに、“空振り”だったのです。当然職員の中には「もっと正確な情報を待ってから行動すべきだったのではないか?」と疑義を唱える者もいたそうです。ところが、この時に事務長が「いい避難訓練だったと思えばいいじゃないか。正確な情報を待っていたら逃げ遅れて津波に飲まれるかもしれない。何度空振りしてもいいと考えれば確実に全員の命が助かるんだよ」と言ったそうです。
    そして、現実に翌年の東日本大震災では、その特別養護老人ホームの地区には10mの大津波警報が出ました。防潮堤の高さは7mですから情報が正しければ津波に襲われます。この時警報発令からたった5分後に、職員全員で仙台空港ビルの3階に利用者を避難させると決めたそうです。判断が遅れたり津波の高さを過小評価していたら、職員も利用者も助からなかったかもしれません。“空振りを許容しても安全を優先する”という考え方を、職員全員が共有できていたので多くの命が救われたのです。

  • 05/27
    2024
    2024.05.27
    居室にカメラを設置したいという家族の要求を拒否したら

    【検討事例】母が心配なので居室カメラを付けたい
    ある介護付き有料老人ホームに入所した利用者の息子さんが「母が心配なので居室にスマホ連動の見守りカメラを設置したい」と言ってきました。施設長が「居室に監視カメラを付けるなんてとんでもない」と検討もせずにすぐに拒否したため、トラブルになりました。高齢者施設の職員による虐待事件が大きく報道されるたびに、利用者を心配する家族から居室へのカメラ設置要求が増えて対応に困ります。自宅にカメラを置いてペットの様子をスマホで見て楽しむのは問題ありませんが、カメラで監視されて質の高い介護はできません。では、この息子さんの要求は拒否できるのでしょうか?
    ■カメラの設置は法的に可能か?
     入所時からいきなり「職員は信用できないから見守りカメラで監視する」と不信感を露わにされては施設長もカチンとくるでしょう。施設長の気持ちも分からないではありませんが、何の検討も無しに拒否すればトラブルになります。まず、入居契約上カメラの設置が可能なのか、法的な可否を検証しなければなりません。
     結論から言うと、本事例の息子さんの要求は拒否できないと考えられます。その根拠は次の通り。介護付き有料老人ホームはその多くが利用権方式であり、利用者は居室に対して一定の権利を持っています。そして、一般的な入居契約書であれば、入居者は事業者の許可なく「目的施設の増築・改築・移転・改造・模様替え、居室の造作の改造、敷地内に工作物を設置する」行為はできないとされています(モデル契約書20条の2)。
     居室の壁にカメラを据え付ければ工作物として施設の許可が必要ですが、置くだけであれば工作物ではありませんから許可は必要ないのです。同様にサ高住の場合は賃貸住宅ですから、カメラを居室に置いても問題ありません。また、老人ホームには契約書の他に管理規程がありますが、管理規程の「居室等の使用細則」にも、カメラを置くことを制限するような条項は見当たりませんので、問題にはならないでしょう。
    ■カメラ設置のリスクを説明する
     以上のように入居契約上見守りカメラの設置は拒否できませんが、カメラを居室に設置することは設置する家族にも様々なリスクが発生します。これらのリスクを家族に説明して思いとどまってもらわなくてはなりません。家族に次のように説明してはどうでしょうか?
     まず、見守りカメラを設置すれば利用者以外の介護職員や面会者の姿も映ってしまいます。本人の了解なく他人の容姿を撮影することは、プライバシー(肖像権)の侵害で不法行為とみなされますから、撮影者は賠償請求されるかもしれません。施設が職員に容姿撮影の了解を求めることはできませんから、息子さんから各職員に了解を取ってもらわなくてはなりません。容姿が映る可能性のある他の利用者に対しても同様に了解を求めなくてはなりません。
     また、スマホ連動カメラで撮影された動画の画像はデータ容量が大きく、スマホの記憶装置には保存できませんから、通信事業者のサーバーなどに保管されることになります。ストレージサーバーからのデータ流出がたびたび問題になっていますから、撮影された職員の容姿の動画データが流出すれば、個人情報の漏洩でこれも賠償問題になるかもしれません。このように、居室の利用者だけ撮影することはできませんから、居室の撮影には様々なリスクが伴うことを息子さんに説明しなければなりません。
    ■入居契約書や管理規程の見直しも必要
     こうしてカメラ設置に伴う様々なリスクを説明することで、息子さんの要求を思いとどまらせることができるかもしれません。しかし、今後は従来考えられなかったような家族の要求が出てきますから、入居契約書や管理規程で明文化して調整することが必要になると考えられます。現実に施設側の不正や虐待の可能性はあるのですから、一方的に禁止するのではなく、家族の心配も取り除けるようなルールが必要なのです。
    ところで、居室に監視カメラが付いたら、職員は利用者に親しく声をかけられなくなりますし、冗談を言って笑わせることもできないでしょう。居室から足も遠退きます。そんな味気ない生活を利用者は本当に望むのでしょうか?

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